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近年、奨学金を利用して進学する方は少なくありません。こうした背景の中、平成28年3月に安倍首相は、大学生を対象にした国の奨学金制度について、「厳しい状況にある子どもたちに、返還が要らなくなる給付型の支援によって、しっかり手を差し伸べたい」と給付型奨学金を創設する考えを表明しました。
ですが、5月に入り政府は、大学生らを対象にした返済不要の「給付型奨学金」の創設について、課題を踏まえて検討を進めると明記するにとどめています。現行の奨学金制度は、国立大学・私立大学ともに授業料が高止まりしていることもあり、利用者は年々増加傾向にあります。
ですが、非正規雇用などによって卒業後の収入が安定せず、奨学金の返済に悩む方が増えてきているのも現状です。返済の必要がない給付型奨学金と比べ、まず現行の国の奨学金制度はどのような仕組みになっているかをみてみましょう。
現行の制度にも返済不要の給付型奨学金はありますが、一定の資格・要件を満たす人材が海外留学を目的する場合の支援制度になります。国内の大学・短期大学・高等専門学校・専短および大学院で学ぶ人を対象とした奨学金は「貸与型」になり2種類あります。
利息は不要で、採用基準は学力・家計基準があります。
《学力基準》
1.高等学校又は専修学校高等課程の1年から申込時までの成績の平均値が3.5以上。
2.高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人、又は科目合格者で機構の定める準に該当する者。
《家計基準》
世帯人員、就学者の有無によって異なり、家計支持者の収入金額が選考の対象となります。
例えば、世帯人数3人の場合では、給与取得者:657万円。
給与取得者以外:286万円。貸与額などの規定もあるようです。
複数の金額が設定されている場合は、いずれかを選択できるようですので、よく確認されるとよいでしょう。
ここでも、大学進学を例にてみてみたいと思います。金利上限が3%になり、在学中は無利息です。
※第一種と第二種を併用することもできます。採用基準は第1種同様、学力・家計基準があります。
《学力基準》
1.高等学校又は専修学校(高等課程)における学業成績が平均水準以上と認められる者。
2.特定の分野において特に優れた資質能力を有すると認められる者。
3.大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者。
4.高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、又は科目合格者で機構の定める基準に該当する者。
《家計基準》
第一種より、家計支持者の収入金額に幅が広がります。
例えば、世帯人数3人の場合では 給与所得者:1,009万円、給与取得者外:601万円となっています。